【リップアートメイク施術前】保湿を徹底!
リップアートメイクを美しく仕上げるためには、「しっかり保湿された唇」が重要とされています。なぜなら唇の皮膚組織は、とてもデリケートだから。唇は、皮膚のように皮膚膜に守られていない粘膜である上に、角質層も薄いため、乾燥しやすい部位だと言えます。そして唇が乾燥していると、色素が入りにくいため、仕上がりに影響するのです。
一方、潤いを保った唇にすることで、次のような効果が期待できます。
- 定着ムラが少なくなる
- ダウンタイム中に発生する痛みや腫れの軽減
- 色素定着までの施術回数を減らせる
またリップアートメイクは、針で皮膚の浅い位置に色素を入れる施術のため、施術後は唇に傷がついた状態となります。そのため、傷を治癒する意味でも、刺激となる唇の乾燥は天敵に!
つまりリップアートメイクをする上では、施術前も施術後も、十分に保湿をする必要があるのです。しかし施術後の唇は傷がついているため、市販の保湿ケアアイテムでは過度な刺激になる可能性もあります。施術後のダウンタイムでは、処方された軟膏(ワセリン)でしっかりケアをしましょう。
一方、施術1週間前にはどんな唇の保湿ケアをするべきなのか、患者さまにお伝えしたいメソッドをご紹介します。
唇保湿ケア① リップ美容液
唇の保湿として、「リップクリーム」を思いつく方も多いことでしょう。確かにリップクリームは、敏感な粘膜質の唇を保護するためには、欠かせないアイテムです。
ただし保湿力という意味では、「リップ美容液」に劣ることをご存知でしょうか?
そもそもこの2つのリップアイテムは、それぞれ得意とする“力”が異なります。
- リップクリーム:保護力
- リップ美容液:保湿力・浸透力
リップクリームは、水分と油分がバランスよく調和しているため、外的な刺激から唇を守る保護力に優れています。唇には水分をキープする皮膚膜がないため、阻止すべき刺激の多い日中に唇の潤いを守るためにはリップクリームでの保護が適しているといえるでしょう。
一方でリップ美容液は、水分を多く含む成分が配合されているため、保湿力や唇への浸透力が期待できます。そのため、夜の集中ケアとして、美容液でたっぷり潤いを蓄える…といった使い方がオススメです。
唇保湿ケア② リップスクラブ
「唇がガサガサして皮がむける」これこそ、まさに乾燥の証拠。そしてその“皮”の正体は、古い角質です。
では、古い角質が溜まったら、どのように対処すべきなのでしょうか?
- 無理やり皮をむく
- ゴシゴシ擦る
上記のような行為は、唇に過度な刺激を与えてしまうためNG!そこで活用したいのが、「リップスクラブ」です。
リップスクラブは粒子で優しく古い角質を落とし、唇の表面を滑らかに整えます。さらに保湿成分のあるリップスクラブを使えば、滑らかな唇に潤いも浸透するのです。またリップスクラブは、乾燥ケアのほかに、「くすみ」や「シワ」の解消にも効果が期待できます。
ただしリップスクラブの使いすぎには、ご用心!リップスクラブを頻繁に使用すると、美しい唇に必要な角質まで落としてしまうことがあります。
使用は、週1~2回程度にとどめましょう。またアートメイクの施術3日前には、リップスクラブの使用をストップしてくださいね。
また、リップにくすみがある方は症状を悪化させる可能性があるので、スクラブの使用は控えましょう!
唇保湿ケア③リップパック
「リップパック」とは、保湿や美容効果が期待できる成分を配合したシートのことを言います。有効成分がたっぷり含まれたシートで、水分が出ていきやすい唇の粘膜に蓋をしながら保湿するため、手軽にできるケアとも言えるでしょう。
また最近では、様々な種類が発売されています。そのため、使用するリップパックの配合成分には要注意。毎日のケアアイテムとして使うのであれば、デリケートな唇でも安心な天然由来の商品がオススメですよ。
ただし、市販のリップパックを購入しなくても、「ワセリン」でセルフリップパックをする方法もあります。ワセリンは、アートメイクの施術後にも処方するほど、安全性の高いアイテムです。
【ワセリンを使ったリップパック|3STEP】
- お風呂上りに、たっぷりのワセリンを唇に塗る
- ワセリンを塗った唇をラップで蓋をして3~5分間放置程
- ラップを取り外し、唇に残ったワセリンを丁寧になじませる
【リップアートメイク施術後】心がけたい4つの行動
リップアートメイク施術後のダウンタイム期間は、アートメイクを定着させるために重要な時期。ここで適切な過ごし方をしなければ、色が抜けてしまう要因となります。
そのためダウンタイム中の患者さまには、次の4つの行動を心がけていただきましょう。
代謝を高める行動をしない
アートメイク施術後に代謝が活発になると、持続性や仕上がりに悪影響を及ぼす可能性があります。
- 内出血/痛み/腫れ
- 色素が身体の外へ流れやすくなる
そのため、次のような代謝が上がる行動は控える必要があるのです。
【代謝が上がる行動 例】
- 飲酒
- 過度な運動
- サウナ/岩盤浴
- ホットヨガ
- 浴槽での入浴
洗顔やクレンジングはNG
アートメイク施術後の唇は、わずかながら傷ができています。この状態で洗顔料やクレンジング剤を使用すると、アートメイクの色素が唇の傷口から流れ落ちる可能性があるのです。
施術当日~ダウンタイム中は、唇の部分を避けつつ、ふき取りシートを使って顔を清潔に保つことをオススメします。
生や刺激の強い食品は避ける
たとえ新鮮であっても、生の食べ物には細菌が含まれています。特に、施術当日の傷が開いている唇に細菌が入ると、感染症のリスクが高まる可能性があるのです。
また辛い食べ物や濃い味の物は、傷口への刺激となります。これらは赤みや痛みなどの症状を促進する要因となるため、施術当日から症状が収まるまで、これらの食べ物を控えましょう。
患部に軟膏を塗布する
身体の免疫力が低下している状態で唇に傷ができると、「口唇ヘルペス」を発症する可能性があります。そして口唇ヘルペスが現れると、後にできるかさぶたと一緒に、色素が剥がれてしまうことがあるのです。
そのため、自宅でのケアでは、口唇ヘルペスの発生を予防するために軟膏を使用することを検討してください。
なお、ビタミンAは真皮のターンオーバーを活性化させるため、真皮上層に入れた色素が定着しづらいと言われています。また刺激が強めなため、ダウンタイム中はダメージが強すぎるので術後1ヶ月は化粧品も避けてください。
【まとめ】患者さまと一緒にリップアートメイクを仕上げる必要性
理想的なリップアートメイクは、施術技術だけでは完成できません。施術前や施術後(ダウンタイム)に、患者さまがどのようなケアをして、どのような日常を過ごすのかが重要なカギとなります。つまり、患者さまご自身の意識が欠かせないのです。
患者さまが、リップアートメイクの仕上がりのために日々の意識を高められるよう、しっかりとご説明することもアーティストの大事な仕事です。そのためにも、技術を磨くことはもちろん、アートメイクのあらゆるメカニズムをしっかりと把握しましょうね。