アートメイク=医療行為
アートメイクは、紛れもなく「医療行為」です。
なぜならアートメイクは皮膚に針を刺して色素を注入する施術だから。
つまり、正しい医療の専門知識と技術がなければ、人体に害を及ぼす可能性がある行為なのです。
アートメイク施術ができるのは医師のみ?
結論、医師または歯科医師が常駐するクリニックであれば、看護師や准看護師免許を持った医療従事者でもアートメイク施術をすることはできます。
なお、歯科医院での施術はリップアートメイクのみ可能です。
また近年では、「アートメイクサロン」として運営する施術者もいますが、この場合も、医師や医師の指示のもとで看護師や准看護師が施術をした場合でも違法です。
さらに「医療提携」を謳うサロンもありますが、医療機関として保健所に登記をしていないサロンで無資格者だけでなく医療従事者が施術することも当然違法となります。
アートメイクの違法施術については、過去にも「肌の炎症」「色素が消えない」という事故が報告されているほど社会問題になっています。
実際、消費生活センターへの相談も多発していることで、厚生労働省も注意喚起を徹底しているのです。
参考:厚生労働省|アートメイクの危害
医療免許なしで施術をした場合の【罰則】
医師法では、医師免許がなくアートメイクのような「医業」をした場合、違法行為として次のような罰則があると示されています。
第十七条 医師でなければ、医業をなしてはならない。
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第十七条の規定に違反した者
二 虚偽又は不正の事実に基づいて医師免許を受けた者
e-Gov法令検索(デジタル庁)|医師法(昭和二十三年法律第二百一号)
このように医療免許なく施術を行うことは、「犯罪」です。
安全なアートメイクに医療免許が必要な理由
アートメイクに医療免許が必要な理由は、法律に定められているというだけではありません。
安全に施術を行うためにも、医療免許が欠かせない理由があるのです。
皮膚に傷がつく
アートメイクは、針を使って皮膚に色素を入れる施術です。
つまり、少なからずとも肌へのダメージはあると言えます。
だからこそ、皮膚のメカニズムをしっかり理解した正しい知識と技術が欠かせないのです。
例えば、施術針を入れる深さ。
アートメイクでは、皮膚の表面にあたる表皮層と真皮層の中間、0.2mm~0.3mm程度の深さの位置に針を刺します。
この際、真皮層まで針をいれると、次のようなトラブルに発展する可能性があるのです。
- 色素が半永久的に消えない
- 肌へのダメージが大きい
- 施術の痛みが強い
麻酔の使用
皮膚の浅い位置までしか針を入れないアートメイクの場合、痛みはさほど強く感じないことでしょう。
しかし痛みの感じ方には個人差があるため、なかには我慢ができないほど強い痛みを感じる患者さまもいらっしゃいます。
この時に使用するのが、「麻酔」。
アートメイクでは主に、クリームやジェルタイプなどのさまざまな表皮麻酔を使用します。
ただし痛みが強い際には、注射で麻酔薬を注入する場合もあるのです。
そのため麻酔の使い分け判断ができる知識や、それぞれの特性をしっかり理解した取り扱い方法を知らないと、事故に発展する可能性も考えられます。
アートメイクの医療機器を購入するには医師の許可が必要
アートメイク施術では、針・色素・機材など様々な医療機器を使用します。
そしてこれらの医療機器は、適切に取り扱える医師免許保持者の協力がないと購入できません。
例え医療従事者である看護師であっても、購入できないものも多いので注意が必要です。
つまり免許を持った医師がいなければ、アートメイク施術を始める準備すら整えることができないのです。
アートメイクに資格は必要?
アートメイクアーティストを目指す人からよく挙がる疑問は、「アートメイク資格の必要性」について。
医師免許を持った医師と、その指示の元で施術する看護師や准看護師であれば、アートメイクに関する特別な資格がなくても施術ができるのか、気になる人も多いようです。
その答えは……△。
現状、アートメイク施術に関する資格はありません。
しかし、アートメイクに関する知識や技術がないまま施術を行うと、患者さまが理想とするアートメイクが実現できる可能性が極めて低くなるのです。
美しいアートメイクに仕上げるために学ぶべきことは、たくさんあります。
Webや本で知識を習得しただけでは気づけない実技のコツも多いことでしょう。
- 理想的なアートメイクを実現するために必要なデッサン
- アートメイクの針を患部に当てる角度
- 色素の特性
- 修正が必要な場合の対処法 など
アートメイクの知識と技術をしっかり学び、練習を重ねてから、アートメイクアーティストとしてデビューする必要があります。
だからこそ、アートメす。これは対価を払って施術を受ける患者さまへの敬意であることはもちろん、アートメイクアーティスト本人の自信と誇りにもつながるのではないでしょうか。
看護師がアートメイクアーティストになるためのステップ
看護師がアートメイクアーティストを目指す方法として、次の2つの選択肢が考えられます。
アートメイクスクールで学ぶ
アートメイクスクールでは、アーティストとして必要な知識と技術を総合的に学ぶことができます。
- 基礎知識
- デッサン
- 技術
- モニター施術 など
眉やリップ、アイラインを学んだ場合アートメイクスクールの受講費用相場は、70万円~150万円程度とかなり差があります。
ただし、金額でスクールを選ぶのは要注意です。
なぜなら、例え安くても、あなたが学びたい内容が選べない学べない可能性があるから。
アートメイク業界では、スクールによって学べるカリキュラムが異なります。
例えば、眉・アイライン・リップだけを学べればいいのか、傷跡のカモフラージュや乳輪乳頭などパラメディカルまで学びたいのか。
ご自身が学びたい内容をしっかりと考えてから、スクール選びをすると後悔がないかもしれませんね。
Cleoでは、1Dayコース基礎コースから応用コース、アーティストのステップアップとして身につけたい専門コースまで幅広いカリキュラムをご用意しております。
もしも何を学ぶべきか悩んだら、無料体験レッスンも実施しておりますので、ぜひお気軽にご参加ください!
▼無料体験レッスンの申し込み
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研修制度のあるクリニックに就職
アートメイクを取り扱うクリニックでは、研修制度を設けている場合もあります。
ただしアートメイクが流行っているとはいえ、アートメイク未経験者の看護師を採用するクリニックはまだまだ少ないと言えるでしょう。
また、アートメイク専門のクリニック以外、アーティストが複数名在籍することはほとんどありません。
そのため、例え基礎のみでも適切なスクールでアートメイクの知識と技術を学んでから、就職することをオススメします。
なおCleoでは、受講された生徒さんの就職サポートも行っています。
知識と技術習得後の進路に不安のある方は、遠慮なくご相談ください。
まとめ:正しい知識と技術を身につけてアートメイク施術を
針を使うアートメイクの施術は、わずかながらにも皮膚に傷をつける医療行為です。
そのため、医師免許が必須。
また看護師や准看護師の免許を持っていれば、医師の指示の元で施術をすることができます。
これらの免許がない人の施術は、違法行為のため、法で罰せられることが想定されます。
なお、アートメイクに関する特別な資格はありません。
ただし、アートメイクの正しい知識と技術がないと、患者さまが理想とするアートメイクを実現することは難しいでしょう。
実際近年では、アートメイクに関するトラブルや事故も多く報告されています。
アートメイクが流行しているからこそ、患者さまはアートメイクに大きな期待を持っています。
その期待を裏切らないためにも、アートメイクアーティストとして活動する上で欠かせない知識と技術をアートメイクスクールで学び、習得することをオススメです!